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トラバ1行リレー小説 第41話
2回目の参加です。。 切れたら かなすぃ→。。

midnight_eggさま トラバ1行リレー小説 第40話 よりトラックバック

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その事件は3年前、今日のような真夏の暑さの日に起こったのだった。

肌にからみつくねっとりとした空気が、ぞうきんのごとく絞ってしまいたいと思わせるほどに不快だった。

狂ってしまいそうな私の心中を知ってか知らずか、胸元に光るルビーだけはひんやりと冷たく、それが私を余計に苛立たせた。

強烈な日差しが作り出す影が、アスファルトにコントラストを色濃く描き、清涼飲料の曇ったガラスのビンが歩道に転がっていた。

ふと、ガラスのビンを蹴ろうとしたとき、耳に覚えのある声が聞こえてきた。

どうやらその声は、近くに路上駐車されてある車のカーステレオから聞こえてくるようだ。
「だからさっきもいったけど、嘘じゃないの、私みたんだから……」

それはもう半年も音信不通の親友の声だった。その声がなぜカーステレオから…

彼女は私の幼馴染で、生まれた時から高校まで一緒のアパート、一緒のクラスだったので、まるで双子のように互いを思っていた筈だった。

それが2年前「私、芸能人になりたいの!」と言って彼女は東京に引越してしまったのだが、半年前からパッタリと連絡が途絶え心配していたのだ。

「何で元気なら元気と連絡くらい…」とつぶやく私の声に、カーステレオの向こうにいるはずの彼女が答えた。

わたしは耳を疑った。「お願い!ボリュームを上げて!」慌てて車に駆け寄った。

車で眠っていたらしい男は怪訝そうな表情を浮かべて体を起こし、ボリュームをあげた。彼女の声が聞こえる。

ちょっとくせのあるハスキーボイス。相変わらず、メンソールの煙草は手放せないのだろうか。

「確かに あの人だったのよ。間違いないわ。。」

「死んだ?死んだ?と思っていた………、マリリン・モンローだったのようぅぅぅぅぅぅぅ!!!」

…わたしの心の中に小さく、それでいて確かな…殺意が芽生えたのを、感じた。

「お兄さん、この声の主…誰だか知ってる?」わたしは車の男に問いかけた。

「お嬢さん、まずは君の名前から聞かせてもらいたいものだね」と男は答えた。

気持ちを落ち着かせ、男の顔を真正面から見る。と、それは見覚えのある刑事の顔だった。

「よぉ、久しぶりに出会いましたな、お嬢さん」男は、愛想笑いの1つもせずに鷹揚に答えた。

そして半年前の事件のことを切り出そうとして、しかし自分でもあの恐怖を思い出し躊躇した。そしてこう言った。

「なぜ ”日本縦断 骨壷を盗む会”の 幹部になったのだね?」

そのとき助手席から、私の幼馴染の、少しピント外れの声が響いて来た。

そう、そこにはカーステレオから聞こえてきたラジオドラマの声の主、私の唯一無二の親友だった女の姿があった。

「ひさしぶりね。相変わらずそのルビー、肌身離さずにいるのね」メンソールのタバコをくゆらせながら 彼女は笑った。

ルビーは彼女の誕生石である。同じ7月生まれだった母の形見だ。

母は彼女が東京へ行く少し前に突然亡くなった。死因は心臓発作ということで、事件性はないと警察は判断したが、不可解な点がたくさんあり、私は2年たった今でもその死因に疑問を抱いていた。

あっ!あなただったのね!2年前、突然、逃げるように東京に行ってしまったのは何故?やっぱり、日本縦断骨壷を盗む会・会長マリリン・モンロー尊士と母との事!何か知っているのね!

私は彼女の胸倉をつかんでまるでマンガのようにブンブン振り回したかったのだが、あの刑事がいるので自分を抑えた。

半年前の事件で散々な目に合わされたタコみたいな刑事と親友だった女の接点が分からない。背中を汗がつたった。

そんな私の心中など構わぬかのように男は車のドアを開ける。車内の涼しい空気とメンソールの危険な香りが私を誘っていた。

そこに、ヒラヒラと舞い降りるものが。よくみると手紙のようだ。どうやら、車のドアに挟まっていたみたいだ。

それはさっき道玄坂で拾った女子高生が挟んでいったメルアドと一緒にギャル文字で”まナニぁそレま" ”・・・と、一瞬 私の”しまった”という表情を刑事は見逃さなかった。

「どうしてこれがここに?」穏やかでない心中を悟られぬよう、わざとゆっくりとした口調で刑事に向かって投げかけた。

その質問には、刑事ではなく彼女が答えた。「あの女子高生…あなたのお母さんにとっても関係がある、って、言ったらどうする?」

「そのルビー、本当はあの女子高生の手に渡るはずだったのに…」彼女は憎々しいとでもいうような表情で語り続けた。

「どういう意味?」その時私は声が上ずるのを止めることができなかった。

そのとき「っていうか〜、こういう意味?」と後ろから、若い女の声が聞こえたと思った瞬間、私は頭に強い衝撃を受け、気を失った。


そして次に目を開けたとき、その目に飛び込んできたのは・・・・・・奇妙に小さな緑色の顔。



そう思ったのは 彼女の服があまりにも キレーな緑色だったから。。「....気がついたのね」親友の声がいつもより優しい。




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by I_am1077 | 2004-07-27 19:12 | トラバ
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